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エネルギーの地産地消 住民・企業との連携必要 京田辺・学研総局 吉岡宏
京都府内の関西学研都市で2010年度から始まった「次世代エネルギー・社会システム実証プロジェクト」。産学官が連携し、家庭や地域で電力を有効活用するシステムの開発や、電気自動車(EV)の普及に向けた実験を進める。福島第1原発事故を機に、国内外からの視察も急増し、新たなエネルギー対策として注目を集める。省エネや二酸化炭素の排出量削減のモデルをどう構築し、実用化させていくのか。 プロジェクトは、経済産業省が横浜市など全国4カ所を実証地域に選定して始まった。太陽光発電や蓄電池などを備えた家庭やビルを次世代送電網(スマートグリッド)で結び、エネルギー需給を地域で調整する「スマートコミュニティー」のモデルづくりを目指す。電気やガスの「地産地消」に加え、災害時に備えたエネルギーの分散化にもつながる技術だ。 学研都市では、府や家電、自動車メーカーなど25の団体や企業などが推進協議会を結成。京田辺市と木津川市、精華町で5カ年にわたって実験を行う。 昨年2月からは同志社山手地区(京田辺市)の約70軒で、エネルギーの管理システム開発へのデータを集めるため、電力とガスの使用量計測をスタート。太陽光発電や蓄電池を取り入れた管理システムの実験も同地区で始まる。実験参加を希望する住民や事業所が購入したEV60台を使い、各地域の充電器の利用状況なども把握する。 各実験は住民参加で進められる。協議会事務局を務める関西文化学術研究都市推進機構の山田格参与は「住宅地開発で住民が増える学研都市で、最新の技術を取り入れてエコ重視の生活スタイルを広めたい」と話す。 太陽光発電装置やEVなどは現状では安価とは言えず、実験協力には自己負担も必要だ。EV実験では府と国の補助金を合わせ、半額以下で車を買えるようにした。府は12年度一般会計当初予算案にプロジェクト推進費として1億5千万円を計上。太陽光発電やEVに加え、燃料電池の購入補助金を盛り込む。 12年度以降にはEVの増車や、約900軒での電気使用量測定などが予定される。実験規模が拡大する中、何より欠かせないのは、地域の理解と協力だろう。EVでは当初の参加者目標をクリアしたが、他の実験では下回り、追加募集したケースもある。 協議会は、省エネ活動への新たなポイント制度の導入も検討するが、参加企業や行政は、プロジェクトの意義をいかに住民へ伝えるのか。原発問題に直面した社会で、エネルギーのあり方をどう見つめ直すのか。住民との意識の共有も問われる。 一方で、府は「実験の成果を、新しいビジネスモデルの創出につなげられるかが課題」(文化学術研究都市推進室)とみる。協議会に参加するのは大企業が中心だが、地元企業とも連携し、「学研発」の産業として国内外に展開可能な道筋づくりが、実験成果を社会に普及させるためにも必要だ。 昨年12月、学研都市は国の国際戦略総合特区に指定された。府は、2年前に閉館した「私のしごと館」(精華町、木津川市)を規制緩和で再活用し、スマートコミュニティーの研究拠点にしたい考えだ。実験と特区で相乗効果を出せれば、技術開発はさらに加速できるのではないか。 [京都新聞 2012年2月22日掲載]
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