(六の四)




 下鴨神社

 葵橋からゆっくり歩くと、鴨川の対岸に鬱蒼(うっそう)とした森が見える。糺の森(ただすのもり)で、この森の一角に下鴨 (しもがも) 神社が鎮座している。下鴨神社は正式には賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)といい、上賀茂 (かみがも) 神社と合わせて賀茂社と総称されていた。

 下鴨神社の祭神はカモタケツヌミノミコト(賀茂建角身命)と、その娘のタマヨリヒメノミコト(玉依姫命)。ある日、玉依姫が川で洗濯をしていると、川上から丹塗りの矢が流れてきた。姫はそれを枕元において眠ると、やがて妊娠しワケイカズチノカミ(別雷神)を産んだので、この神を上の社、つまり上賀茂神社にまつり、賀茂別雷神社と称し、下社はその親をまつったので、賀茂御祖神社と称したという。  




 比良木神社

 下鴨神社の楼門の向かって左手にまつられているのが比良木 (ひいらぎ) 神社。

 この社には、願い事がかなうとヒイラギ (柊) を奉納するという信仰があるが、もとは「出雲井於(いずもいのうえ)神社」と呼ばれ、かつてこの付近に勢力を張っていた出雲氏がまつった神だった。それが中世には出雲氏の勢力が賀茂氏によって駆逐されたので、神社も下鴨神社の境内に吸収され、比良木神社と改称された。



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