京都芸術センター=京都市中京区室町通蛸薬師下ル=の2004年の公募に選ばれて22日まで南ギャラリーで開催中の発表も「TUBE LIFE(生命管)」と名づけ、大小約30点の陶作品で空間を構成している。会場に足を踏み入れた鑑賞者は、さまざまに配置された奇妙でユーモラス、少々不思議な陶作品を巡りながら、さまざまな気づきや発見をすることになる。
日常的でありながら非日常的。かわいいけれど怖さもある。ちょっとありえない非現実さは、この作家が好んでつくるシュールレアリスム的な陶造形のインパクトも効果となって、暗喩や寓意を帯びたインスタレーションとなる。手びねりと型、ろくろの三つを使ってつくる造形は、白か黒のどちらかの釉薬がかけられる。これもまた陰と陽、表と裏、上水道と下水道といった対比に通じている。 陶芸の焼き物につきまといがちな火色や土味といった要素は、意識的に消されている。白と黒の釉薬も普通に市販されているものだ。三木さんの作品が、旧来の陶芸の分野よりは、現代美術の領域で評価が先行してきたのも、独特の陶表現のアイデアや空間の構成力によるところが大きい。 大阪芸術大学陶芸専攻科を修了、陶造形の世界に進んだ三木さんは、80年代の派手でぎんぎらな陶芸のニューウエーブやアメリカ仕込みのクレイワークの余波を体験。当初は大型の増殖するトーテムポール(柱状造形)をつくったりしていたが、触覚性から視覚性へとスイッチ、いろいろな陶造形を空間に設置し、それぞれに関連させながら寓意的なイメージや物語性をこめるインスタレーションに独自の表現方法を見いだした。 戦後の前衛陶芸も歴史となり、クレイワークの熱気も遠く去って、伝統的な世界も用途の陶芸も混然として共存、辛口に言えば模索も葛藤(かっとう)もなく微温的に過ぎる現代の陶芸。三木さんの陶表現は、無駄を排除しがちな現代社会の功利主義の不健全さや、見つめなければならないのに見ようとしない現代人の怠慢さへの批評的なまなざしも秘めて見る側を刺激する。 写真(左)=「ホテルとかマンションとか新しい場での発表もしてみたい」と話す三木陽子さん
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