■手をつなぎ合いませんか■
連載「ひとりじゃないよ」に対する批判に共通したのは、自己責任論でした。「生活保護をもらうのは本人の努力不足」「生活が苦しいと言うけど離婚したのだから仕方ないのでは」などです。
取材を終えた今、自己責任論は違うと確信しています。リストラで突然に職を失い、生活保護を受けざるを得ない人が増えています。離婚した女性が働いても働いても貧しいのは、非正規という労働形態に問題があるからです。
取材を通して見えてきたのは、個人の頑張りだけでは解決できず、孤立する人たちの姿でした。
執筆する際、孤立や孤独だけに焦点を当てることは意図的にしませんでした。「孤」を描くとドラマチックにはなりますが、孤立している人とそうでない人との間に壁が生まれると考えたからです。「勝ち組」「負け組」のような線引きは本意ではありません。
記事を読んだ人が「私も何かしよう」「私ならこんな風にできる」と、自分のやれる範囲で支援に動きだしてほしい。こんな願いから、どんなに小さくても支援や支え合いの取り組みを紹介するよう努めました。
本日の紙面のように、孤立する人たちに手を差し伸べようと自ら考え、行動し始めた方たちがいます。連載に共鳴していただけたのなら、ありがたい限りです。反響も多数寄せられ、多くの読者とキャッチボールをさせてもらったように感じています。
確実に「孤」は現代社会に広がっています。老若男女、境遇に関係なく、しかも急速に。昨年11月にスタートした一連のキャンペーンは今回で終了します。結びに「ひとりじゃないよ」の8文字に込めたメッセージをあらためてつづります。
人はひとりでは生きられません。「個」を尊重しながら、お互い困ったときには、そっと手をつなぎ合いませんか。(取材班代表 大西祐資) |