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| 宇野肇さん |
−創業の経緯を教えてください。
「動的粘弾性測定装置をつくる計測器メーカーに勤めていたわたしを含む仲間3人が独立する形で、1996年1月に共同設計事務所UBMラボラトリーを創立して、その年の11月に有限会社ユービーエムを設立。翌年10月に株式会社にしました。最初は、電気関係の機械設計やソフトウエアの開発などを手掛けていました」
「以前いた会社の経営が悪化したため、わたしたちが本格的に、その事業を引き継ぎました。測定装置の部品は外注して一定のレベルまで組み上げて納品してもらい、ソフトを組み込むなどの仕上げを当社で行っています」
−その動的粘弾性測定装置を説明してください。
「タイヤのゴムを例に挙げると、見ようによっては粘っこさがありますし、反対に弾む性質も持っています。さらに、その粘っこさが強いのか、弾みが強いのかは一定ではありません。また時間がたてば劣化などで、粘りや弾みなども変化してしまいます。原材料の段階から、そのゴムを商品化した際に得られる性能や想定通りに作れるか、品質管理にまでつながる物理学的データが必要で、それを知るための測定装置なのです」
−具体的に、どのようなメーカーが測定装置を活用していますか。
「ゴムメーカー各社をはじめ、高分子関係の原材料メーカーなど上場企業約1000社を中心に、多くの会社が導入しています。近年、自動車は軽量化の方向にあって鉄に変わる強度を持ったプラスチックなどが用いられていますが、大手自動車メーカーに部品を供給するメーカーにとって新素材を開発する際などに粘弾性測定データは欠かせません」
−国内で固体と液体両方の測定装置を扱うのは唯一と聞きますが。
「液体は、固体と異なって測定の仕方が千差万別で扱うのが難しく、国内では必然的に扱われなくなりました。しかし、熱を加えて溶けるなど固体から液体になる際のデータが必要な場合もあります。ただ、液体の装置は、販売後に手間がかかって収益性も低いのが難点。小回りが利く当社だからできていますし、強みにもなっています」
−これからの方向性はどうなるのでしょうか。
「最近は光学と組み合わせた測定装置を求める傾向にあります。これまでは物理的な数値だけでよかったのですが、顕微鏡と組み合わせて変化の瞬間をモニターに映し出したり、光を当てての変化を調べたりもします。これまで以上の高いデータが求められていると思います」
−経営方針や理念を教えてください。
「社是に『見せかけに栄えなし。正直に栄えあり』を掲げています。売らんがために、ばらつきのあるデータを改ざんする人もいるかも知れませんが、当社では正直に話して理解して買っていただいています。そのために、競合企業と同じスタートラインに立てないこともあります」
−乙訓地域で会社を運営する理由を教えてください。
「わたしと今は亡き仲間の一人が長岡京市に住んでいて、通いやすかったことから乙訓を選びました。大きな理由ではありませんでしたが、仕事をしてもらうパートさんのことなどを考えると乙訓を離れにくくなりましたね」
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